不動産売却の「入札」とは?メリット・デメリットを解説
昨今、個人の不動産売却に入札を選択する人が増えつつあります。オークション方式で参加者を募って、購入したい価格を提示する方法です。売主が希望した最低価格より下の価格で売れることはなく、希望者が多ければ高値で売れる可能性があります。しかし、入札にもデメリットもあるのです。今回は、不動産売却の入札を紹介します。
不動産を入札するってどういうこと?
入札とは、オークションに出品した物件の希望者が価格を提示する方法です。購入希望者が多いほど、売却価格は高くなります。
逆に、希望者が少なければ、売りたい価格に満たない場合があります。今までは個人での入札は少なく、裁判所や国・地方自治体などが実施していました。
しかし、一般の方も不動産物件の入札ができる、入札で物件を売却する人が多く、今後需要が高まると考えられます。
5種類の入札形式
入札には主に5種類の形式があります。それぞれの特徴を紹介します。
・一般競争
希望者から1番価格が高かった人を選ぶ方式で、最もポピュラーな入札です。
・公募型競争
売る人が希望者に制約や条件を示し、その条件を満たした人だけが入札に参加できる方式です。
・指名競争
売る側が入札に入ってほしい業者を選び、最もよい条件を出した業者と契約を結ぶ方式です。
・希望指名競争
不動産を買いたい業者から入札に参加できる業者を選ぶ方式です。
・オープンカウンター(見積もり)
前もって売主が売りたい売却価格を提示する方式です。自治体で利用されることが多く、個人ではあまり使用されません。
入札の手順
ここでは不動産売約の入札手順を紹介します。
1.売却の最低価格を決める
2.仲介代理人を決める
3.入札者を募集する
4.落札者と契約をして物件を渡す
以上が、入札の準備から落札後の契約までの大まかな流れとなります。入札で物件を売り出したいのであれば、最初に最低価格を決めます。不動産の相場とかけ離れた最低価格だと、入札者が募らないか猛省があります。
そのため、不動産の相場に近い金額を提示しましょう。注意したい点は、すべての不動産会社が入札を取り扱っているとは限らないことです。入札のプロフェッショナルな不動産会社があり、豊富な知識と経験から安心してお願いができます。
入札のメリットとは
入札は、普通の売却方法よりも高い金額で売れやすいという特徴があります。上手に活用することで、希望価格よりも高値で売却が成立するかもしれません。
高い価格で売れる場合がある
入札は希望した最低価格からオークションが始まるため、最低価格より下になることはほとんどありません。そして、希望者がたくさん集まれば、予想以上の売却価格で落札者が決まることもあります。
一般的な売却では、売り出し価格に対して、購入希望者が現れ金額交渉などを進めます。希望価格より安くなったり、交渉そのものがなくなったりする可能性が高いです。
しかし、入札は希望価格またはそれ以上の金額で売却するケースが多いので、高値で売りたい人におすすめです。
商談のキャンセルが少ない
入札は契約がキャンセルになる可能性が低いです。一般的な売却は、購入希望者からの値引き交渉や条件などの話し合いが決まらず、商談キャンセルになるという話はよくあります。
入札の場合、不動産の価格・条件に合意した上で希望者が集まっているため、キャンセルになる確率が低いのです。また、個人だけでなく業者が参加していることも多く、融資審査が通らずキャンセルになるのもありません。
デメリットもあるので要注意!
メリットを紹介しましたが、入札にも気をつけたいデメリットがあります。
希望価格が高いと人が集まらない
高値で売れてほしいという気持ちが先走って、相場より高い金額で参加者を募っても人は集まりにくいです。その結果、不動産が売れない可能性が高くなります。
入札は参加者が集まって成立する方法です。購買意欲を高めてもらうためにも、売り出し価格は相場に寄せた方がよいです。
参加者が少ないと高い金額は期待できない
入札は最低限の価格より下で売れることはありません。しかし、入札の参加者が少なければ、価格が上になることもないのです。そうなると、最低価格で売れてしまうかもしれません。
まとめ
入札のメリットを上手に利用すれば、想定以上の売却価格が期待できます。しかし、最低価格が相場よりも高ければ、競争する人が集まらず入札のよさを活かせられません。
不動産物件の入札に対し不安を感じている人は、事前に入札を扱う不動産業者に相談するのがおすすめです。適切な売却方法のアドバイスをもらえるため、ぜひ活用してみてはいかがでしょうか。