家や土地を売却するのは難しい?不動産会社の選び方から売却代金の受け取りまでを解説
不動産を売却しようと考えたとき、多くの人がどのようなプロセスを経て、いつ売却代金を受け取ることができるのか?と疑問を持つでしょう。本記事では、不動産の売却プロセス全般、とくに不動産会社の選定方法、売買契約の締結、そして最終的な決済と引渡しにいたるまでの詳細な手順を解説します。
不動産会社の選定と媒介契約締結
不動産の売却を考えたとき、最初に直面するのは、依頼する不動産会社の選択です。
選定プロセスにおいて、まず複数の不動産会社から見積もりを取得し、各社の提案する売却価格、サービスの質、対応速度、さらには市場における実績や評判の比較検討が不可欠です。
最適な不動産会社を見つけるには、インターネット上の評価や口コミ、地元の知識を持つ人からの推薦も参考にします。適切なパートナーを選定した後、媒介契約を結びます。
媒介契約とは、売却を希望する不動産の所有者(売主)と不動産会社との間で結ばれる契約であり、売却活動の方法、条件、期間などを明確に定めた重要な契約です。
媒介契約には、専任媒介契約、専属専任媒介契約、一般媒介契約という3つの種類があり、それぞれにメリットとデメリットが存在します。売主のニーズに最も合った契約形態の選択が、売却の成功へとつながります。
不動産会社との良好な関係構築は、売却プロセスをスムーズに進めるうえで非常に重要です。選んだ不動産会社と密接に協力し、透明性を持ってコミュニケーションを取り合いながら、不安を最小限に抑え、理想通りの売却が可能になります。
媒介契約を結ぶ際は、契約内容をしっかりと理解し、疑問点は事前に解消しておくと安心です。
売買契約締結と手付金の支払い
買主が見つかり売買契約の締結にいたると、不動産売買のプロセスは大きな節目を迎え、買主は売主に対して手付金を支払います。
手付金とは、売買契約の成立を証明し、買主が将来の決済を約束するために支払う金銭です。金額は、将来支払われる売買代金の一部と見なされ、契約に基づき最終的な決済時に売買代金から差し引かれます。
手付金の支払いは、買主が売買契約に真剣であること、また売買契約を遵守する意志があることの明確な証明となります。手付金の額は、一般的に売買金額の5%〜10%程度が多いですが、契約や地域の慣習により異なります。
また、売買契約が何らかの理由で解除された場合の手付金の取り扱いについては、契約書に明記されています。たとえば、契約が買主の都合で解除される場合、手付金は売主に帰属するのが一般的です。
反対に、売主の都合で契約を解除する場合は、一般的に手付金を倍返しする必要があります。手付金の支払いは、売買契約の締結と同時に行われ、売買の意思が確固たるものとなり、双方の信頼関係が築かれます。
売主としては、手付金を受け取ることで、買主の購入意志が確かであると認識し、売買プロセスを進める上での安心感を得られます。
決済と引渡し
決済と引渡しの段階は、不動産売買プロセスの最終的な段階です。
売買契約締結後、通常1~3か月以内に進められる引渡しでは、売主と買主が共におこなうべき重要な手続きが数多くあります。期間内に、売主は物件の所有権を買主に移転する準備を整え、買主は最終的な購入資金の手配を行います。
具体的には、売主側では物件の現状維持や必要書類の準備、買主側では住宅ローンの最終承認や資金の準備が行われます。決済日には、双方が不動産会社、司法書士の第三者を交えて最終的な書類の確認と署名を行います。
買主からは残代金の支払いが行われ、売主からは物件の鍵や関連書類が買主に引き渡されます。また、不動産の所有権移転登記が完了すると、公的な記録も更新されます。そのため、物件は正式に買主のものとなり、売主は売買代金を受領します。
決済と引渡しは、物理的な引き渡しのみならず、法的な手続きの完了も含むため、非常に複雑で重要なプロセスです。決済と引渡しをスムーズに進めるには、事前の準備が欠かせません。
売主と買主は、それぞれの役割と責任を十分に理解し、必要な手続きのスムースな進行が求められます。すべての手続きが無事に完了すれば、売買契約の条件に基づき、売却プロセスは正式に終了し、売主は売却代金を受け取ることができます。
決済と引渡しが終わると、売主と買主双方にとって大きな一歩が完了です。
まとめ
不動産売却は、複雑さと時間のかかるプロセスにもかかわらず、適切な不動産会社の選定と綿密な計画により、スムーズかつ効率的な進行が可能です。信頼できる不動産会社の選択から、契約の締結、手付金の支払い、そして最終的な決済と物件の引渡しにいたるまで、各段階を慎重に進めることで、売却は成功に導かれます。一連のプロセスを通じて売却目標を達成し、満足のいく結果を得るには、事前の準備と正確な情報が不可欠です。