ペット飼育の有無が不動産の売却価格に影響するワケとは?
ペットを飼うことで、その存在に癒されたり豊かな時間が過ごせるようになったりしたと感じる方は多いのではないでしょうか。しかし不動産の売却を考えたとき、ペットを飼っていることで売却価格が下がるのではないかと心配になるかもしれません。そこで、ペットの飼育が不動産の売却価格に与える影響や売却価格を下げないポイントを解説します。
ペットを飼っていた不動産は売却時に不利になる?
ペットを飼っていること自体が、査定価格に直結するわけではなく、重要なのは、物件の状態です。長年ペットを飼っていたことによる傷や汚れなど、明らかな劣化がある場合は、売却価格が下がる要因になってしまいます。
もちろん、住宅の劣化はペットの飼育に限ったことではないので、多少の傷や汚れなら、それほど価格に影響を及ぼさないことも考えられます。戸建て住宅の場合は査定額において土地価格が大部分を占めるため、影響が少ない傾向にありますが、マンションの場合は、建物の資産価値も査定額への影響が大きいため、物件の状態が売却価格を左右する可能性もあります。
ペット飼育の有無が不動産の売却価格に影響するワケ
では、具体的にどのような点が売却価格に影響を与えるのでしょうか。
■傷
目につきやすいのは、床や柱、壁紙などの傷です。ペットを室内で放し飼いにしていると、必然的に爪や歯による傷が多くなってしまいます。
■ニオイ
毎日一緒にいる飼い主は気づきにくいのですが、ペットを飼っていると、どうしても部屋全体にニオイがついてしまいます。壁紙や家具、カーテンなどにも染みついてしまうので、換気をする程度ではなかなか消せるものではありません。傷とは違い目には見えないものですが、第三者、とくにペットを飼っていない人は気づきやすいものです。
■害虫や抜け毛
ペットを飼っていると、ノミやダニが発生していることもあります。購入を検討している家庭に小さな子どもがいる場合は、ハウスダストなども心配になるでしょう。また、抜け毛で排水溝が詰まったり、アレルギー反応を不安に思われたりすることもあります。
ペットを飼っていた不動産を高値で売却するコツ!
売却に影響する要因を整理したら、次は価格が下がらないための対策を確認しておきましょう。
■修繕・ハウスクリーニングをする
大規模なリフォームまでする必要はありませんが、できるだけ修繕してきれいにしておくほうがよいでしょう。軽度な傷であれば、ホームセンターなどで購入できる補修用のキットを使い、自分で修繕することもできます。傷が深いときや大量にある場合は、専門業者などに依頼しましょう。一般には難しい染みついたニオイの消臭や抜け毛の対策として、ハウスクリーニングもおすすめです。
■ペットの飼育を伝える
ペットを飼っていたことをきちんと伝え了解してもらうことで、後々トラブルになるのを防ぐこができます。
■ペットを飼っている人(飼う予定の人)に向けアピールする
とくにマンションではペットの飼える物件は、すでに飼っている人やこれから飼う予定の人にとって、魅力あるものとなります。傷やニオイについても、多少の理解が得られる可能性もあります。内覧のときに、周辺の散歩コースや動物病院などを説明するのもいいかもしれません。
ペットを飼っていたことによる傷やニオイがある場合は、止むを得ず価格が下がることもありますが、事前に対策できることもあるので、きちんと対処しておきましょう。ペットを飼っている人は気にならないことでも、動物が苦手な人は不快に感じることもあります。不動産売却の際は、双方が気持ちよく取引に臨めるよう配慮することも大切です。