不動産買取契約の流れと手続きごとの注意点
不動産を手放す場合、物件の状態や周辺の環境などによっては、宅建業者に取引の仲介を頼まずに、不動産会社と直接不動産買取契約を結んだ上で売却をした方がよい場合があります。不動産買取の最大のメリットは短期間で処分可能なことですが、そのメリットをいかすためには手続きの流れと注意すべき点を理解しておくことが重要です。
手続きをスムーズにすすめるために事前準備をしっかりと行う
千葉で所有している不動産の買取契約をスムーズに進めるために重要なことは、事前準備をしっかりと行うことです。手続きの途中で足りない書類があることが発覚する、対象の物件に知らなかった問題が明らかになるなどのイレギュラーな事態が発生すると、解決するための時間が必要となり、手続きが遅れてしまいます。
現金化が必要な時期が決まっている場合だと、事前準備をおこたるとマイナスに作用しかねません。手続きに必要な書類や、千葉の物件所在地周辺の取引状況などを、可能な限り調べてから手続きに入りましょう。
取引状況の調べ方は、基本的に宅建業者の仲介を受ける場合と一緒ですが、重要な注意点があります。それは、不動産買取契約を結んだ上で売却する場合の取引価格が、宅建業者の仲介を受ける場合と比べて3割程度安くなる傾向にあることです。
これは、仲介による売却と比べて業者が得られる利益が少ないことや、買い取った物件を再販売するにあたってリフォームなどが実施される場合が多いことが主な理由です。しかし、買取後のリフォームの実施は、見方を変えれば所有者自身で売却前に手入れをする必要がないということです。この点は仲介による売却では得られない、不動産買取特有のメリットだといえるでしょう。
契約締結まではどのような流れで手続きが進んでいくのか
仲介を受けての不動産売却の場合と同様に、不動産買取契約の一連の流れは業者探しから始まります。千葉県が営業エリアに含まれている不動産会社に査定を依頼して、自身が納得できる価格や内容を提示してきた業者と交渉を行い、話がまとまった段階で契約を締結します。手付金などの現金払いが必須となっている費用の支払いは、契約を結んだあとに行います。
仲介を受ける場合との大きな違いは、不動産買取業者との直接交渉になるため、専門の雑誌やWebサイトに物件の情報を載せて購入希望者を募る作業が省略されることです。業者との取引をよりよいものにするために、査定の段階では必ずスタッフによる訪問査定を受けてから結論を出すことや、複数の業者に依頼して話を聞くことが重要なポイントです。
一括査定サービスは市場の動向を知るのには役に立ちますが、仲介による売却が前提のサービスであり、不動産買取時の利用には適しません。また、契約前の段階では家財道具などの処分費用の有無や、空調設備を放置した場合の費用請求の有無、引き渡しと代金決済の時期など、譲渡の際の条件確認も念入りに調べておきましょう。交渉でまとまった内容はすべて文書に残しておくようにしておくと、後々トラブルが発生した場合に役立ちます。
契約を結んでから不動産を業者に引き渡すまでの流れ
契約締結後は、交渉の中で決めた引渡日に向けてさまざまな作業を済ませます。具体的には、抵当権抹消登記関係書類をはじめとした必要書類の準備や、管理会社や行政機関、インフラ企業などに対する住所変更等の手続き、新居への引っ越し作業などです。
不動産買取においても、引渡日は代金決済日と同日になることが多いようです。引渡日に金融機関内の部屋に取引当事者や金融機関の担当者、司法書士などが集まったら、売買代金や精算金の支払いと必要書類の提出などを済ませていき、最後に関係書類と鍵を不動産買取業者に渡します。登記手続きは司法書士によって代行され、1週間から2週間程度経った頃に反映されるでしょう。
しかし、不動産買取の手続きはここで完了ではありません。なぜなら、取引を行った翌年に確定申告を行った上で所得税を納めなければならない可能性があるからです。不動産売却で生じた所得と税額は計算式が公開されており、実際に算出してみれば判明します。納税が必要であることがわかった場合は、翌年に備えるためにも売却によって得たお金を必要以上に使い込まないように注意しましょう。
不動産買取契約の流れは、査定依頼の結果から売却先とする会社を選ぶことから始まります。不動産会社が決まったら条件交渉に入り、話がまとまったら買取契約を締結し、後日代金決済と引き渡しを行います。満足度高く終わらせるには事前準備を行うことや、業者と決めた内容を可能な限り書面にのこしておくことなどが重要です。所得税の納税が済むまでは、売却で得たお金は過度に使い込まないように注意しましょう。