不動産を売却したら加入していた火災保険の保険料は還ってくるの?
家を売却するときには、これまで加入していた火災保険を解約することになります。そこで気になるのは、既払いの火災保険料。すでに支払っている保険料は還ってくるのでしょうか。金額が大きいだけに、不安に感じる人も多いものです。そこで今回は、不動産売却時の火災保険について解説します。
保険期間分であれば保険料の返還に応じてもらえる
火災保険は、契約期間の途中で解約しても残りの期間分の保険料を返還してもらえます。所定の手続きを踏み、保険料の返還を請求しましょう。そもそも火災保険とは、家が火事や災害で損害を負った場合、修繕費用の一部を補償してくれる保険です。住宅ローンの中には、火災保険の加入を義務付けているところもあります。火災保険料の金額や契約年数は、保険会社や契約プランによって異なります。
一般的には、数年分の火災料をまとめて支払う契約プランを選択する人が多いようです。なぜなら、まとめ払いは割引があり、1年ごとの支払いよりも割安になるからです。数年単位で火災保険に加入していて、該当不動産を売却する際は、途中解約の手続きをしましょう。たとえ契約期間の途中でも、解約後の期間分は保険料を返還してもらえます。
火災保険の返還を請求する方法
火災保険を解約する際には、保険会社に連絡しましょう。基本的に、売却手続きを代行する不動産会社や保険会社からの連絡はありません。まずは火災保険を解約する旨を、保険会社の窓口や担当者に告げ、解約書類を郵送してもらいましょう。解約手続き書類に必要事項を記入し、保険会社に返送します。契約期間のうち、残りの期間分が返金されるはずです。しかし契約期間満了まで残り1か月を切っている場合には、返金手続きはおこなわれません。日割り計算での返金は受け付けてもらえませんので、注意しましょう。
火災保険を解約する最適なタイミング
不動産売却の意志が定まったからといって、すぐに火災保険を解約するのは危険です。火災保険解約のタイミングは、慎重に決めましょう。火災保険料の返還は、残りの期間分で計算されるため、なるべく早く解約したほうがお得です。少しでも多く返金してほしい気持ちは理解できます。しかし、不動産の売却にはおもいのほか時間がかかります。買主がすぐに見つかるとも限りません。
また、買主がすでに見つかっている場合にも、不動産登記簿の移転手続きには時間を要します。もしも不動産登記移転の手続き完了前に火災や災害で大きな被害をうけてしまったら、売主負担で修繕しなくてはなりません。引き渡しの前に引越し、空き家になる場合も同様です。
「誰も住んでいない家だから、火事のリスクは低いだろう」といった安易な考えはNGです。空き家は防犯上、放火のリスクが高くなっています。万が一のことがあれば、最悪の場合、契約解除されて被害を受けた家のみが残る可能性もあります。不動産の売却に伴う火災保険の解約は、不動産登記簿の移転が完了してからにしましょう。
修繕が必要な場合は解約前に行おう!
せっかく多額の保険料を支払って加入してきた火災保険。不動産の売却前に、利用できる修繕場所がないか確認しておきましょう。たとえば隣家で起きた火事で傷んだ外壁、落雷で割れた瓦、水害で破損した樋など、この際に修繕して売却に備えましょう。すべての修繕費が火災保険の対象になるとは限りませんが、高額な費用を抑えられる可能性があります。
まとめ
火災保険は途中解約しても、未経過分の保険料を返還してもらえます。しかし返還請求は契約者本人がおこなう必要があります。保険会社からの連絡はありませんので、忘れずに申請しましょう。火災保険解約のタイミングは、名義が売主から買主に移転してからおこないます。もしも移転前に解約し火災や災害が起きたら、売主が補修しなくてはいけません。また契約解除される可能性もあります。焦って火災保険を解約するとリスクが大きいため、解約のタイミングは慎重に判断しましょう。