不動産の鑑定と査定は別物!?違いや費用相場を解説!
不動産の価値を調べる方法は、不動産鑑定と不動産査定の2つがあります。この2つはよく似ていますが、不動産鑑定と不動産査定は全くの別物です。不動産鑑定と不動産査定のどちらを行えばいいかわからないと悩む方は多いのではないでしょうか。そこで今回は、不動産鑑定と不動産査定の違いや費用相場についてご紹介します。
不動産鑑定・不動産査定の違いとは
はじめに、不動産鑑定と不動産査定の2つの特徴を詳しく見ていきましょう。
■ 不動産鑑定とは?
不動産鑑定は、国土交通省が定めている土地や建物の鑑定評価基準をもとに、不動産の価値を調査することを指します。不動産鑑定後、鑑定結果を記載する鑑定評価書は、法的な効力も持った書類です。なお、鑑定評価書への記載は、国家資格を取得した不動産鑑定士だけが行うことができます。
■ 不動産査定とは?
不動産査定は、不動産を売りに出したいとき、不動産の売却価格を決めるために実施されるものです。不動産鑑定と違って定められた基準はなく、不動産がある地域周辺の市場価格を参考に決められます。不動産査定は不動産業者が実施することが多く、資格を持たない人でも行うことができます。
鑑定結果と査定結果で価格は変わるのか
不動産鑑定と不動産査定は、不動産の価値を調べるという目的は同じです。では、鑑定結果と査定結果の価格は変わるのでしょうか?まず、不動産鑑定は、評価基準に基づいて実施されるので、不動産鑑定士ごとに評価額が大幅に変わることはありません。
それに対して不動産査定は、市場価格を参考にしながら不動産の状態、売主と買主の都合によって変わってきます。また、査定を行う人の感覚によっても変わることもあるようです。そのため、不動産査定の査定結果が左右されることもあり、鑑定結果と査定結果の価格が異なることが多いです。
依頼によってかかる費用
不動産鑑定・不動産査定は、依頼する際にかかる費用も違ってきます。
■ 不動産鑑定は有料
不動産鑑定は、不動産鑑定士事務所に依頼をします。そして不動産鑑定を依頼する際にかかる費用は、不動産の状態によって変わります。
土地のみの場合でも、戸建て住宅程度の広さの土地であれば20万円以上、大規模な広さの土地であれば30万円以上が相場です。また、戸建ての建物のみの場合は20万円以上、土地と建物の両方の場合は25万円以上、マンション一室の場合は30万円以上が相場になります。
■ 不動産査定は無料
不動産査定は、基本的に無料です。不動産査定は、不動産会社が不動産の取引をするために必要なものだからです。ただし、先ほどもお伝えしたとおり、不動産査定は査定を行う人の感覚によっても査定価格が変わってきます。
不動産鑑定と比べると正確さに欠けており、法的な効力もありません。あくまで、不動産の売却価格の参考にする程度にとどめておきましょう。
鑑定or査定が必要なシーンは?
不動産鑑定と不動産査定は、どんなシーンで必要になるのでしょうか?結論からお伝えすると、不動産査定が必要なシーンは、不動産を売却するときです。保有する不動産の参考価格が知りたいのであれば、無料の不動産査定で十分でしょう。
一方、不動産鑑定が必要なシーンは、不動産の正しい価値を調べなければいけないときです。たとえば、不動産の相続をするときや生前贈与をするとき、離婚時に財産分与をするとき、相続税を抑えて節税したいときなどが挙げられます。不動産鑑定は鑑定費用も必要になるため、本当に必要かどうかよく考えてから依頼するようにしましょう。
ここまで、不動産鑑定と不動産査定の特徴や違い、費用相場について解説しました。不動産の価値を知るという目的は同じでも、鑑定と査定は全くの別物です。なんのために不動産の価値を調べるのかを再確認し、ご自身のケースに合ったほうを選択してください。