離婚前に不動産売却するのがおすすめな理由
価値観が合わない、不貞が発覚したなどの理由で離婚するケースがあるでしょう。ただし、勢いに任せて離婚するのではなく、離婚前に手続きする方がおすすめなこともあります。とくに不動産を所有している場合、一般的には離婚前に売却するほうがよいとされています。本記事では、離婚前に不動産を売却するのがおすすめな理由を解説します。
離婚前に売却したほうがスムーズ!
離婚はただ分かれるだけでなく、複雑な手続きや話し合いを行う必要があり、なかでも財産分与は争点になりがちなポイントです。とくに不動産を所有している場合、離婚後にどうするべきか相談するのではなく、離婚前に売却するのがスムーズであると言われています。主に3つの理由があるので、一つひとつ見ていきましょう。
まず、離婚後に綿密な連絡を取る必要がなくなるのが理由の一つです。離婚後は新しい生活のために離婚相手とはあまり連絡を取りたくないという考えであれば、離婚前に処分しておくのがおすすめです。
また、離婚後のトラブルを避けやすいのも理由として挙げられます。離婚後に共有財産があると、管理・修繕に関する意見の相違、売却価格などが問題になりがちです。しかし、離婚前に売却すれば、これらのトラブルを回避しやすくなります。
最後の理由が、離婚直後の生活に余裕を持ちやすくなることです。売却によって得られる現金は、新たな住居の頭金や引っ越し費用、生活費や法的手続きの費用などに充てることができます。離婚直後の経済的負担を軽減することで、新たな生活のスタートをスムーズに始められます。
離婚前に不動産売却する際の注意点・確認ポイント
離婚前に不動産を売却しておくことでスムーズに離婚後の生活がスムーズに始められますが、注意や確認しておくべきポイントがいくつかあります。
まず、離婚成立前に売却額を分け合うと贈与税がかかることでしょう。離婚後は財産分与という権利が適用されるので、売却した不動産で得た金額に対して税金がかかりませんが、離婚前に分け合うと贈与とみなされて課税対象となる可能性があります。
次に好条件での売買契約を行うのがむずかしいことです。離婚すると決めたら、できるだけ早く手続きを済ませて新しい生活を始めたいと考えている方が多いので、好条件で買い手を見つけるよりも、早く買い手を見つけることを優先しがちです。不動産会社のサポートも重要なポイントですが、売却額を重視するのはむずかしいと考えましょう。
最後に、役所手続きの手間が多くかかる可能性があるのも注意点です。離婚に伴う不動産売却では、ケースによっては2回ほど役所手続きが必要なります。何度も役所に行って手続きを行うのは、時間や費用、手間がかかるので、手続きの過程を事前に把握し、計画的に進めることが重要です。
離婚前に不動産を売却するのがおすすめなケースとは
離婚を考える際、成立前に不動産の売却を行うのがスムーズであると解説しましたが、すべてのケースにおいて適しているわけではありません。では、どのようなケースに適しているのか見ていきましょう。
まず、不動産売却を急がなくてよい人が挙げられます。不動産売却はスムーズに買い手が見つかったとしても、引き渡しまでに3~6か月ほどかかるのが一般的です。買い手が見つからなければさらに長引く可能性があるので、売却に時間をかけても問題ない方におすすめです。また、離婚後のトラブルを避けたい場合、不動産売却は離婚前に進めるべきです。共有不動産を売却することで、財産分与や所有権の問題について事前に解決できます。
そのほか、預貯金に余裕がない人も、離婚前に売却するのが適しているでしょう。離婚後は引っ越しや新居にかかる費用など出費が多いため、不動産を売却して現金化することで経済的な余裕を持つことができます。
まとめ
離婚を検討しており、なおかつ不動産を所有している場合は、成立前に売却を検討するのがおすすめです。共有財産を現金化しておくことで、離婚後、頻繁に連絡を取り合ったり、修繕や管理でトラブルになったりするリスクを回避できるほか、経済的な余裕を持つことにもつながります。しかし、必ずしも離婚前に売却するのが正解ではありません。配偶者との関係性や何を優先したいかによって進めるべき手順が変わるので、きちんと情報収集を行い、方向性を決めてから離婚手続きを行うようにしましょう。