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不動産を売却するとき取得費が分からなくても平気?

公開日:2022/11/15  最終更新日:2022/09/28


リフォームや不動産の購入にかかった費用などを合計したものを取得費といいます。しかし、住宅を購入してかなりの年月が過ぎてしまっている場合など、実際に不動産売却をした方でも取得費が分からないという方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、取得費が必要な理由と取得費が分からない場合の対処法について詳しく解説します。

取得費はなぜ必要なのか

取得費は、マンションや一戸建て住宅などの不動産を売却する際の譲渡所得を計算するために必要になります。

譲渡所得とは、不動産に限らず株式やゴルフ会員権など資産を譲渡した際にかかってくる税金のことです。譲渡所得は、ほかの所得と同じように計算できないため、自分で確定申告をしなければなりません。取得費が分からない場合、譲渡所得が正確に計算できないので、確定申告がスムーズにできないといったケースもあります。確定申告をしなかったり曖昧な状態で確定申告をしてしまうと、脱税を疑われたり必要以上の納税をしなければならなくなったりすることもあります。

そのため、取得費は細かく把握しておくことが重要です。ちなみに取得費を正しく把握できれば譲渡所得税の負担を軽減することも可能です。将来不動産を売却するときのために取得費が分かる書類はきちんと保管しておきましょう。

取得費が分からない場合はどうすればよいか

「先祖が買った家なので細かいことを知らない」「売買契約書をなくした」といった理由で取得費が分からないというケースも少なくありません。取得費とは不動産の購入にかかった費用のことなので、売却者と購入者が異なる場合、購入にかかった費用が不明ということも多いにあり得ます。取得費が分からない場合、不動産を売却した金額の5%を取得費として計算することが可能です。これを概算取得費といいます。

しかし、この概算取得費には気をつけなければならないことがあります。取得費を概算取得費で計算した場合、売却金額のほとんどを課税対象とするので、本来よりも大きい取得費が弾き出されてしまう可能性があるということです。

中には本来支払うべき譲渡所得税よりも100万円以上も多く支払うケースも存在します。概算取得費は誤差が生まれやすいという注意点があることは知っておきましょう。当然のことですが、望ましいのは売買契約書が手元にあることなので、今は売却の予定がなくてももしものためにどこに売買契約書があるのかは把握しておいてください。

概算取得費が適用されないケースとは

取得費の計算方法は、概算取得費のほかにもいくつか存在します。その中でより正確に取得費を計算する方法を用いて取得費を算出することになります。一般社団法人日本不動産研究所の出す「市街地価格指数」や、国土交通省が出している「地価公示」や「建物の標準的な建築価格表」などをもとに取得費を計算することが可能です。

しかしどの計算方法もその時代の状況が大きく作用してしまう点には注意が必要です。たとえば「市街地価格指数」を使用する際、都心部では高度経済成長の影響により地価が大きく上昇している点が大きく考慮されます。

そのため、実際の購入価格よりも高く計算されやすいというデメリットがあるのです。不動産購入時の価格が高いと売却利益は少なくなるので、税務署から脱税の疑いをもたれてしまう可能性があります。必要のないトラブルを避けるためにも税理士に依頼することも視野に入れてもよいかも知れません。

まとめ

今回は、不動産売却時に取得費が分からないときの対処法について解説しました。取得費が分からなくても売却・確定申告をすることは可能ですが、適切な申告をしていない場合、払う必要のない税金まで支払うことにもなりかねません。取得費を調べることが難しいケースに対応するためにも譲渡所得や取得費の計算方法は把握しておいたほうがよいでしょう。計算に不安がある方は、税理士や税務署に相談する選択肢もあるということを知っておいてください。

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