袋地や囲繞地などの再建築不可物件を売却するにはどうしたらいい?
再建築不可物件、とくに袋地や囲繞地などは、売却が難しいと感じる方も多いでしょう。しかし、適切な知識と戦略をもつことで、意外な価値を見出せるかもしれません。そこで本記事では、再建築不可物件の売却方法やポイントを解説し、少しでも有利に取引を進めるためのヒントをお伝えします。
袋地や囲繞地などの再建築不可物件とは
所有している不動産を何らかの事情で手放すことはよくあることです。
しかし、なかには所有している不動産が売却の難しい土地にあることもあるでしょう。そこで、袋地や囲繞地、接道義務について知っておきましょう。
袋地と囲繞地
袋地(ふくろち)とは、ほかの土地に囲まれており、公道に出るためには他人の土地を通らなければならない土地のことを指します。
一方、囲繞地(いにょうち)とは、袋地を取り囲む土地のことを指します。
接道義務
接道義務とは、建築基準法第43条に基づき、建物の敷地が道路に2メートル以上接していなければならないという規定です。
この義務を満たさない土地は、建築物の建て替えや増築、改築が制限されることがあります。囲繞地は道路に接しているため、この接道義務を満たしており、建物の建て替えや増築が可能であることが多いです。
しかし、袋地の場合は、この接道義務を満たしていないため、通常の建築行為が制限される再建築不可物件とされます。つまり、袋地では新たな建物の建設や既存建物の増築、改築が認められないことが多いのです。
袋地や囲繞地の不動産は売却が難しい?
袋地や囲繞地の不動産は、再建築不可物件であったり不便であったりすることから、売却が難しいとされているのが現状です。
まず、袋地は接道義務を満たしていないため、新たに建物を建てることができず、既存の建物も建て替えや増築が難しいことから、購入希望者が限られてしまいます。
また、袋地はほかの建物に囲まれているため、日当たりや風通しが悪いことが多く、居住環境としての魅力が低くなる場合が多いです。さらに、災害時などの非常事態では、袋地は公道に直接出られないため、救急車や消防車などが迅速にアクセスできず緊急対応が遅れやすいリスクがあります。
加えて、袋地のような土地は建物が密集していることが多く、人目につきにくいため、空き巣などの犯罪のリスクが高まることもあります。このような要因が重なることで、袋地や囲繞地の不動産は一般的な不動産と比べて、購入希望者が少なく、売却が難しくなるのです。
袋地や囲繞地の不動産を売却するためのコツ
袋地や囲繞地の不動産を売却するには、いくつかのコツがあります。
以下で詳しく見ていきましょう。
専門の不動産業者に買取を依頼する
こうした特殊な不動産を専門に買い取る不動産業者に依頼することが有効です。
再建築不可物件などを専門に扱う不動産業者は、こうした土地を活用して利益を得るための知識や資金をもっています。そのため、袋地や囲繞地であっても、比較的高額での買取が期待できる可能性があります。
また、再建築不可物件であっても、既存の建物をリフォームすることは可能です。そのため、このような不動産業者はリフォームによって建物をきれいにし、買い手にとって魅力的な物件にして売りに出してくれます。
売却せずに運用する
売却を考えずに、土地を有効活用する方法を検討することもひとつの手段です。
たとえば、トランクルームとして運用する方法があります。トランクルームは、土地の形状や接道義務に影響されません。土地が狭くても、収納スペースとして利用できるため、安定した収益を得られる可能性があります。
売却が難しいと感じる場合には、このような代替案を検討することで、土地の価値を引き出せるかもしれません。
まとめ
袋地や囲繞地などの再建築不可物件は、売却が難しいとされていますが、専門業者に買取を依頼したり、リフォームや有効活用を検討したりすることで、価値を引き出すことができます。こうした土地には特有の制約がありますが、適切な方法を取ることで、よりよい条件で売却や活用が実現できるでしょう。袋地や囲繞地の不動産を最大限に活用するために、今回紹介したポイントを参考にして、最適な選択をおこなってください。