故人の不動産を売却したい!名義人の変更や相続はどうする?
亡くなった人が財産として不動産を持っていた場合、その不動産をどうするのか、悩む遺族の方は多いでしょう。誰かがそこに住み続けるにしても、売却するにしても、相続をする必要があります。そこで今回は、故人の名義の不動産の相続について、詳しく解説していきますので、ぜひ最後まで読んでください。
故人の名義になっている不動産を売却するには
亡くなった人が所有していた不動産を売却しようと考えた時、そのまま売却することはできません。売却する前に、相続する人に名義変更をする必要があります。そのためまずは、相続登記を行いましょう。
■相続人は誰?
故人が遺産分割の遺言書を遺している場合は、その遺言書の通りに相続がされます。一方、遺言書が遺されていなかった場合、法定相続人の中で優先順位の高い人から相続人になります。法定相続人が1人の場合もあれば、複数人いる場合もあります。次に、相続人の順位と割合について解説していきます。
■相続の順位と割合
相続には順位があり、配偶者、子ども、親、兄弟姉妹という順番で相続の権利があります。まず、相続人が配偶者のみだった場合は、故人が遺した財産を100%配偶者が相続します。故人と配偶者の間に子どもがいる場合は、配偶者が財産の1/2を相続し、残りの1/2を子どもの人数で割って均等に分けます。
また、故人と配偶者の間に子どもがいなかった場合、配偶者が2/3、親が1/3の割合で相続します。親がいなかった場合の相続は、配偶者が3/4、兄弟姉妹が1/4の割合になります。これは、故人が遺した財産すべてに対する割合です。そのため、相続人が複数いる場合は、「遺産分割協議」で、誰がどの財産を相続するのか決める必要があります。
相続登記に必要な書類
不動産の相続人が決まったら、相続登記という手続きを行います。相続登記をするにあたり、故人の戸籍謄本・相続する人の戸籍謄本と印鑑登録証明書・遺産相続人全員の住民票・遺産分割協議書が必要になります。
ここで注意すべきなのは、相続人が複数いる場合の遺産分割協議書です。遺産分割協議書には、相続人全員の署名と実印、印鑑登録証明書と住民票の添付が必要になります。もちろん、自分たちで準備することも可能ですが、専門知識も必要とするため、遺産分割協議書の作成が必要な場合は、司法書士などの専門家に依頼したほうがよいでしょう。
これらの書類がすべて揃ったら、管轄の法務局へ登記申請を行います。また、相続登記時には、不動産評価額の0.4%の登録免許税がかかるので、頭に留めておきましょう。
不動産を相続する際の注意点
ここまで、故人が遺した不動産を相続する方法について解説してきました。不動産の相続には注意点があります。
■故人が亡くなってから10か月以内に相続税を支払う
故人の財産を相続する際、相続税がかかります。相続税の納税には期限があり、故人が亡くなってから10か月以内です。相続が10か月以上先になるとしても、相続税は10か月以内に納税しなければならないので、忘れないように気を付けましょう。
■不動産を共同名義で相続すると売却する際に大変
故人が遺した不動産を相続するときは、共同名義で相続することも可能です。たとえば、親が亡くなった時に、親が住んでいた不動産を、子どもたちの共同名義で相続するということができます。しかし、不動産を共同名義で相続すると、売却する際、名義人全員の同意が必要になります。不動産を共同名義で相続するときは、売却時のことをよく考えた上で相続するようにしましょう。
亡くなった人の不動産の相続について解説しました。亡くなった人が遺してくれた不動産を売却するには、さまざまな手続きが必要です。とくに、相続人が複数いると非常に大変なため、専門家に頼るなどしながら、正しい手順で相続手続きを行ってください。