不動産を売って、いつ頃現金化されるのか?
不動産の売却理由は十人十色でしょうが、急な金銭的事情で、すぐに資金調達しなければならない方もいらっしゃることでしょう。しかし、不動産を売るというのは、かなり面倒な手続きを経なければ、お金を受け取れなさそうなイメージはあるかと思われます。
不動産を売るにあたって、方法は買取と売却に分かれているのですが、この二つは、お金の受取時期がまったく異なるので、一歩間違えれば資金繰りで火の車になることも。ここでは、相談~契約~現金受取までの流れについて、解説させていただきます。
買取の場合
不動産屋に直接不動産を買い取ってもらう「買取」は、すぐに現金化できる方法なので、お金が急に入用となった場合は、この方法を検討するのがいいでしょう。流れを大まかに見てみます。
① 売却相談&査定依頼
② 査定価格の見積り
③ 契約条件の確認
④ 不動産売買契約の締結
⑤ 残金決済&引渡し(現金受取)
意外と単純な流れに見えるかもしれません。ただし、買取は不動産業者が再販事業用物件として購入するため、買い手との仲介に立つ売却よりも、価格が安くなることが一般的です。仲介を設けて売却する場合、売主の売却希望金額から販売をスタートするため、販売活動をする中で価格の見直しもありますが、高く売却できることもあります。
ただ、買取は価格が安くなってしまうというデメリットはあるものの、それに反して、以下のような複数のメリットもあります。
① 仲介手数料無料(買い手との売買契約成立の成功報酬)
② 売主のプライバシーを考慮(すぐ買い取って貰えるので販売活動の必要がない)
③ 室内状況不問(仲介だと売るためにリフォームが必要となることも)
④ 売却後の補修義務・瑕疵(かし)担保責任なし(仲介は雨漏りやシロアリ被害、給水間からの漏水などで高額な修繕費を支払うことも)
⑤ 現金化までスピーディかつ確実な取引を保証(仲介は買主がいつ見つかるか分からない)
以上から分かるのは、もらえる現金は少なくなる反面、払うべき費用は無くなるということ。大掛かりなリフォームが確実に必要な物件であれば、より買取が現実的になるでしょう。
以上の流れを汲んで、買取で現金化まで要する期間は、およそ1ヶ月程度で済む場合がほとんどです。
売却の場合
不動産屋が仲介役となって買い取り手を募集する売却は、売却する不動産を不動産仲介会社に売却依頼することで、売りに出すことができます。現金化までの主な流れを見てみましょう。
① 売却相談&査定依頼
② 査定価格の見積り
③ 売却依頼(媒介契約の成立)
④ 売り出し期間
⑤ 買主と交渉
⑥ 物件情報の開示
⑦ 不動産売買契約の成立
⑧ 残金決済&引渡し(現金受取)
段取りが買取よりも多いのが分かるかと思われます。特に現金受取のタイミングを左右するのは、不動産を広告などで宣伝する期間の有無でしょう。これは、買主が見つかるまでの持久戦となるので、お金を早急に準備にしなければならない方にとって、かなりのデメリットとなります。
まとめ
不動産の売却に要する期間について解説して参りましたが、どの手段で不動産を引き渡すか、決断はできましたか?すぐにでも現金化したい方にとって、まどろっこしい段取りとなる「売却」は、八方塞になってしまうでしょうから、買取が無難な手段かもしれません。
また、特にお金が入用でなかった場合でも、結局見積りで多額のリフォーム費用を支払わなければならなくなり、費用を捻出できないという方にとっても、関係ない話ではないでしょう。
売却は、高額なリフォーム費用が発生しない、あるいは発生しても支払える方など、特に金銭的に困っていない場合は、気長にこの方法で売りに出すのがいいでしょう。