買取ってもらう不動産のリフォームって必要?
不動産の売買に慣れていない方であれば、「少しでも高く売りたいけど、やっぱりリフォームしておかないと、高く売れないんだろうか?」という不安は生じることでしょう。そのお気持は当然ですが、その決断には「待った!」と言わせてください。
もし「綺麗で設備が充実した物件=高額な売値」という認識であれば、それが不動産の売買で大きな失敗をすることになり得えるのです。
今回は、不動産の高価買取において、リフォームの必要性について解説致します。
購入者はどう考えているか?
実は、中古住宅購入検討者のおよそ9割が、購入時と同じタイミングでリフォームを検討しているということが、木耐協(日本木造住宅耐震補強事業組合)の調査によって明らかになっています。
また近年は、リフォームとは別に、古い物件の持ち味を生かしたまま修繕する「リノベーション」の需要も伸びています。このリノベーションを目的とする、中古物件の購入を検討中の人にとって、リフォーム済みの物件には魅力を感じません。
また、売主側の判断でリフォームしたとして、その費用を上乗せした金額で物件を売ることができるとは限りません。もしできたとしても、中古物件なのに高いと思われて、却って売れ残ってしまう懸念があります。
そのため、どんなにリフォームの必要性があっても、基本的には売却前のリフォームは不要という結論になるわけです。
リフォームが効果的なのはどういう時?
基本的に、大規模なリフォームは不要です。最低限必要なのは、簡易リフォームや掃除など。これらは不動産の売却で非常に効果的なので、ぜひ着手してください。
簡易リフォーム
実際にはリフォーム・リノベーションすれば、まだまだ使える見込みのある物件でも、壁などが傷や汚れだらけだと、購入意欲への悪影響は避けられません。見た目からして物件の劣化の印象を与えるようであれば、「本当にここに住んで大丈夫?」と、購入検討者に不安を抱かせてしまいます。
少なくとも傷や汚れの修繕でしたら大掛かりなものではありませんし、業者に頼むにしても、そこまで高額にはならず、何だったら自分でもできます。見た目もガラッと変わるので、購入検討者へのセールスアピールとして大きく働きかけるでしょう。
ご自身が購入者目線に立ち、自分が買う側だったら、どんな物件を欲しいと思うかという意識で、簡易リフォームにチャレンジしてみてください。
掃除
内見時に購入者の印象をよくするのであれば、普段から掃除や整理整頓して、万全の状態で、購入検討者を迎え入れましょう。
特に注意しておきたいのが水回りで、カビや水垢などが発生しやすく、さらに掃除に時間がかかってしまう場所でもあります。掃除になかなか時間を割けないという場合でも、水回りは最低限着手しておきましょう。
また、目立った汚れがない場合は、ハウスクリーニングをしておくのがいいでしょう。「ハウスクリーニング済」という見出しがあるだけでも、リフォーム・リノベーションが目的の方でも、かなり印象が変わります。
このように、掃除や簡易リフォームなどは、自分でもできる範囲で、専門的な技術が必要な難しいことではありません。それで購入意欲を持って貰えるのであれば、やっておいた方がいいというのが分かっていただけたかと思います。
まとめ
売却する不動産のリフォームに関する解説は以上となります。最後にポイントを整理したいと思います。
・費用を売却価格に上乗せできないので大掛かりなリフォームは×
・購入者は自分のセンスでリフォームやリノベーションしたがっている
・ただし目に付く傷や汚れは簡易リフォームや掃除で対処する
現代の人は独自の美意識が強いため、中古物件のリフォームは下手をすると、買主にとって余計なお世話になりまねません。必要最低限の補修や掃除、ハウスクリーニングだけ済ませ、購入者のが気持ちよく買える環境を整えておくところで留めておきましょう。