不動産買取と仲介の買主の違いとは
土地や建物を売却する方法には、不動産買取を行う宅地建物取引業者に直接売却する方法と、宅建業者の仲介で一般の買主に購入してもらう方法の2つがあります。もし、千葉で保有している自身の不動産を手放すことを考えているのであれば、これら2つの方法の違いをよく理解した上でベストだと思う方法を選択する必要があるでしょう。
売却手続き開始から引き渡し終了までのプロセスの長さが異なる
不動産買取に千葉の所有物件を売却する場合と、一般の買主に千葉の不動産を買ってもらう場合では、取引が成立するまでのプロセスに違いがあります。一般的にプロセスが長くなるといわれているのは、一般の購入希望者に売却する場合です。売主から見たとき、宅建業者に査定を依頼して詳細な価格を出してもらうところまでは不動産買取でも一般の買主への売却でも一緒です。
ただ、前者がそのまま契約条件を交渉して、合意が取れ次第売買契約を締結し、引き渡しに向けた準備へと移行することに対して、後者は宅建業者と媒介契約を結んで販売条件を決め、広告を出して購入希望者を募るプロセスが契約条件の交渉前に必ず入ります。プロセスの長さの違いは、手続きの開始から終了までの期間の違いにもあらわれます。
当然のことながら不動産買取の方が売却完了までにかかる期間は短く、慎重にすすめたとしても2ヶ月前後もあれば買取業者に物件を引き渡すことが可能です。これに対して、仲介で一般の人に売る方法は、スムーズに事がすすんだとしてもすべて完了するまでに3ヶ月程度はかかり、場合によっては購入希望者がなかなかあらわれず1年以上かかってしまうことがあります。
価格は宅建業者の仲介を受けて売却する方が高くなる傾向にある
不動産買取業者への売却と、宅建業者の仲介による買主への売却の違いは価格にもあらわれます。仲介での売却は、雑誌やインターネットサイトなどさまざまな媒体を利用して広く購入希望者を募ることもあって、売却価格は市場での取引価格の相場とそう大きな差は出ないといわれています。
これに対して不動産買取業者への売却は、買い取った物件の再販売にあたってリフォームやクリーニング、修繕などを実施する費用が計上されますので、提示される価格は市場の相場より2~3割程度安くなることが少なくありません。
ただし、あくまでこれは傾向でしかありません。物件に瑕疵がこれといってなく条件が良ければ、買取でも市場の相場に近い値の付くことがあったり、仲介業者を通して売却をしようとしても、瑕疵が複数の箇所で見つかったり、立地条件が悪かったりすれば想定より安い価格が提示されたりする可能性もあります。
もし、できるだけ高値で千葉にある自身の不動産を売りたいのであれば、買取か仲介かで選択するのではなく、複数の宅建業者に出してもらった査定価格を比較して業者を決める方法を取った方が納得できる形で売却できる可能性があるでしょう。
買取の方が手続きの中で売主が負担する費用が少ない
不動産の売却の中では収入印紙代や抵当権抹消費用、事務手数料、税金など、売主側にもいくらか出費が発生しますが、その金額は不動産買取を行っている宅建業者に直接売却した方が少なくなります。
その最大の理由は、売主の出費で多くの部分を占めるものの一つである仲介手数料が、買取の場合では発生しないことにあります。仲介手数料は宅建業者と媒介契約を締結し、取引が成立した場合に支払義務が発生するものに過ぎず、宅建業者自身が買主となる不動産買取には適用されません。
ただし、売主側の仲介手数料を無料にしている宅建業者はあまり多くないものの存在しており、このような業者と媒介契約を結べば、出費を減らして多くのお金を手元に残せる可能性があります。しかし、無計画に手元のお金を使い込んでしまうと、売却をした翌年に所得税や住民税などの納税が必要となったときに現金が足りなくなることがありますので、手にしたお金は計画的に使うようにしましょう。
不動産買取業者への直接売却と、一般の買主への宅建業者の仲介を受けての売却では、一般的に後者の方が手続き完了までにかかる時間が短いといわれており、出費についても後者の方が仲介手数料の発生しない分少なくなります。しかし、取引価格については仲介を利用した方が市場の相場に近い価格の提示を受けやすいです。土地や建物を売却するときは、これらの点を踏まえた上で宅建業者の選定などを行うようにしましょう。