買取保証を活用して不動産を売却するメリット・デメリットを解説!
不動産の売却を考えた場合、不動産会社を通じて買主を探してもらい、売買契約を結ぶのが一般的です。しかし、すぐに買主が見つかるとも限らず、売りたい期限が決まっている場合などは不安に思いますよね。そんなときに有効な売却方法として「買取保障」があります。特徴やメリット・デメリットを理解し、今後の参考にしてみてください。
そもそも買取保証とは?
「買取保障」とは、一定期間に物件が売れなかった場合に、不動産会社があらかじめ設定した価格で直接買い取るサービスです。仲介としての売却期間があることで、相場に近い価格で売却できる可能性もありつつ、もしも売れなかった時でも、不動産会社が買い取ってくれることが決まっているので安心です。買取保証は、「仲介」と「買取」の両方の優れた点を活用した、まさにいいとこ取りの方法だといえます。
買取保証を活用して不動産を売却するメリット
仲介と買取の両方の面をあわせ持つ「買取保障」には、さまざまなメリットがあります。
■期限内に確実に売却できる
買取保障の大きなメリットは、売却の期限が決まっているということです。仲介による売却では、買主が決まるまで長い時間がかかってしまい、不安になることもあります。買取保障なら期限内に売れなければ、最終的には不動産会社に買い取ってもらえるので、不安も解消でき、売却後のスケジュール管理もしやすくなります。
■相場に近い価格で売却することも可能
通常、買取では相場よりも低い価格に設定している場合が多いのですが、買取保障では一定期間仲介物件として売り出せるので、相場に近い価格での売却が期待できます。なかなか買主が見つからないと、売却価格を下げる対応も必要になりますが、買取保証は不動産会社による最低売却金額が決まっているので、より安全に確実な資金計画が立てられます。最低限の買取金額が保証されたうえで、高く売れる可能性が広がることは、買取保障の最大の魅力といえます。
■仲介手数料が不要になる
一般的に買主に不動産を売却する場合、不動産会社に仲介手数料として、「売却価格×3%+6万円」を支払うことになりますが、買主が見つからず不動産会社が直接買い取る場合は、「仲介」ではなく「買取」になるので、仲介手数料は発生しません。たとえば、2,000万円で売却した場合、仲介手数料の「66万円+消費税」という大きな金額を、買取保障によって節約できることになります。
■不動産会社が買い取る場合、契約不適合責任(瑕疵担保責任)が免責になる
通常の不動産売却の場合、売主は「契約書に記した状態で物件を引き渡す」という義務を負っており、契約書に記載のない欠陥などが見つかったときは、その責任を負うことになっています。しかし、不動産会社が買い取る場合は、物件を調査し欠陥を考慮したうえでの買取と想定されるので、売主が責任を問われることはありません。古い住宅などの場合は、有益なメリットとなるでしょう。
買取保証を活用して不動産を売却するデメリット
よいところの多い買取保障にも、注意すべきデメリットがあります。
■買取価格が低い
最大のデメリットは、買取価格が低い傾向にあることです。買取保証により売却の確実性は高いのですが、その分他者と争うこともないので、仲介と比べて不動産会社の買取価格は上がりづらくなります。物件の状態などにもよりますが、一般的に相場の7~8割程度になることが多いようです。不動産会社が買い取る意図は、リフォームなどを行ったあと再度売り出し利益を得ることなので、買取価格を抑えることはある種仕方ないことといえます。
■売却活動を熱心に行ってくれないこともある
最終的には不動産会社による買い取りが決まっているので、仲介での売却活動があまり積極的に行われないことも考えられます。仲介での売買は成立すれば仲介手数料として利益が発生しますが、一定期間内にそこまでの結果に結びつかないことも多く、その間のコストなどを考え、熱心に売却活動を行ってくれない可能性もあります。
■買取保証が利用できない物件もある
築年数が古い物件や立地条件が悪いなど、買主を見つけにくい物件は買取保証を利用できない場合もあるので注意が必要です。
不動産を売却するとき、期日が決まっていたり、確実な資金計画を立てたいと思っていたりする方には、「買取保障」はプラスの面が多い便利な方法だといえます。ただ、すべてのケースにおいて利点が多くなるとは限らないので、通常の仲介売買と同様、複数の不動産会社に査定を依頼したり、信頼できる不動産会社を選んだりすることがポイントです。買取保障サービスの仕組みをきちんと把握し、選択肢の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。