不動産を売却するなら特別控除を知っておくとお得!
不動産を売却した際に得た利益には、譲渡所得税がかかります。不動産はその特性から、売却時の利益も高額で、譲渡所得税も相当な額が予想されるでしょう。しかし不動産譲渡にはさまざまな特別控除が用意されています。多額の税金で思わぬ出費に悩まされないよう、特別控除を節税に役立てましょう。
最大3,000万円の特別控除
居住用財産を売却し譲渡所得を得た際には、最大3,000万円の特別控除が受けられます。この特別控除に居住年数の制限はなく、短期・長期どちらの居住年数でも適用されます。主な適用条件は以下の3点です。
・居住用財産である
・配偶者・両親・子などの特別な関係への譲渡ではない
・前年、前々年にこの特例を受けていない
大前提として、売却不動産が居住用財産でないと、3,000万円の特別控除は適用されません。現在も所有者がその家に住んでいる場合は、最大3,000万円の特別控除が受けられます。もし現在は住んでいない状況であっても、過去3年以内に住んでいたことがあれば、制度を利用できます。さらに、譲渡する相手が生計を一にする親族や関係者でないことも条件です。たとえ戸籍上は赤の他人であっても、今後、子や孫と入籍する予定の人も対象外です。
そのほか、過去2年以内に3,000万円の特別控除を利用したことがある人も、対象外。マイホーム買換え時や売却損失の特例措置などを2年以内に受けた人も、3,000万円の特別控除は受けられません。なおこの特例を受けるには、確定申告が必要です。譲渡所得の内訳書や戸籍の附票の写し、譲渡不動産に居住していたことを明らかにする書類などを用意しましょう。
10年以上所有している不動産のみ受けられる特例とは
譲渡した年の1月一日時点で、所有期間が10年を超える居住用財産を譲渡した場合、軽減税率の特例が受けられます。これは長期譲渡所得の軽減税率といい、譲渡益の6,000万円以下の部分について、14%の軽減税率が適用される特例です。譲渡益が6,000万円を超える部分については、所得税15%・住民税5%が課税されます。なお先ほど紹介した、3,000万円の特別控除と併用可能です。
譲渡所得税の特別控除
不動産を売却して利益が発生した場合は、譲渡所得とみなされます。もちろん譲渡所得にも譲渡所得税がかかり、税額も利益と比例して大きくなると推測されるでしょう。しかし譲渡の状況によっては、特例が適用されるケースもあります。納めなくてもいい税金を払うことのないよう、確認しておきましょう。
そもそも譲渡所得とは、不動産を売却して得た利益のことです。不動産の購入額や売却にかかった費用を、売却価格から差し引いて計算します。売却した金額ではないので注意しましょう。譲渡所得に課税税率をかけて、税額が計算されます。不動産の売却時に適用される特別控除はおもに以下の6つ。
・公共事業のために売却した際の5,000万円控除
・マイホームを売却した際の3,000万円控除
・特定土地区画整理事業などのために売却した際の2,000万円控除
・特定住宅造成事業などのために売却した際の1,500万円控除
・平成21年22年に取得した国内の土地を譲渡した際の1,000万円控除
・農地の保有化などのために売却した際の800万円特別控除
この中でもっとも利用されるのは、マイホーム売却時の3,000万円控除でしょう。特別控除額は、その年の譲渡益を合わせて5,000万円が限度です。5,000万円を超えた部分については、控除は適用されません。
まとめ
不動産売却時に一定の条件を満たせば、譲渡所得の特別控除が適用されます。特別控除が適用されると、税金が安くなり、今後の生活において大きな影響があるでしょう。譲渡所得の特別控除はさまざまな条件があり、申請を誤ると適用されない可能性があります。まずは控除適用の条件を知り、どのくらい節税できるか計算してみましょう。確定申告には複数の書類が必要です。確定申告前に焦ることのないよう、事前にしっかりと準備しておきましょう。