訳あり不動産は告知義務が発生する?告知しなかったらどうなるの?
所有している物件が訳あり物件の場合、売却できるかどうか不安になりますよね。実は、訳あり物件は、その内容によっては売却の際に告知しなければいけない可能性があります。そこで今回は、訳あり物件を売却する際に告知しなければならないケースと、訳あり物件を高く売るコツをご紹介します。
訳あり物件は人気がなくて売れない?
そもそも訳あり物件とは、どのような物件のことを指すのでしょうか?詳しく見ていきましょう。
■訳あり物件とは?
訳あり物件は、「事故物件」と呼ばれることもあります。事故物件と聞くと、「住んでいた人が亡くなった物件」と思う方が多いでしょう。しかし、住んでいた人が亡くなった物件すべてが事故物件に該当するわけではないのです。事故物件は、人の死に関わる事件や事故が起きた物件のことを指します。
具体的には、他殺・自殺・事故死・孤独死・火災による死亡・原因が明らかではない死亡・長期間放置された自然死や事故死が該当します。そのため、老衰や病死などの自然死や、転落や転倒など、不慮の事故による死亡が起きた物件は、事故物件には該当しないのです。
■訳あり物件は売れる?
事故物件とも呼ばれる訳あり物件は、実際に売れるのでしょうか?訳あり物件は、通常の物件よりも安く売却されるケースが多いです。相場としては、孤独死で1~2割程度、自殺で3割程度、他殺で5割程度安くなることが多くあります。
ただし、訳あり物件は絶対に安くしなければ売れないということもありません。訳あり物件の内容よりも、その物件の立地や周辺施設の環境、築年数などを加味して、そこまで価格を安くしなくても売れる可能性は充分にあります。
また、買い手の考え方によっても、売却価格は変わるものです。「訳あり物件は絶対に安くならなければ買わない」という方もいれば、「訳ありでも別に気にしない」という方もいるからです。
訳あり物件には告知義務がある?
訳あり物件だからといって、絶対に売れないというわけではありません。しかし、訳あり物件には、告知義務があります。この告知義務を果たしてこそ、訳あり物件でも売却できるようになるのです。告知義務とは、売却する前に、買主に対して訳あり物件の内容を伝えなければいけない売主の責任のことを指します。
告知は、物件状況報告書にて行われます。また、訳あり物件に該当しない、老衰や自然死、不慮の事故による死亡は、告知義務はありません。
訳あり物件でも高く売るコツがある!
訳あり物件でも、やはり少しでも高く売却したいものですよね。実は、訳あり物件でも高く売るためのコツがあるのです。
■ハウスクリーニングやリフォームで綺麗にする
訳あり物件は、どうしても悪い印象を持ってしまいます。そんな悪い印象を少しでも払拭するために、ハウスクリーニングやリフォームをして綺麗にしましょう。クロスやカーペット、畳など、変えられるところはできるだけ変えて、事件や事故が起きた時の部屋の状況と少しでも違う部屋にしましょう。長期間放置されてから見つかった死亡事故などの場合は、特殊クリーニングをした方がよいケースもあります。
また、クリーニングだけでなく、リフォームをすることでさらに訳あり物件の悪印象を払拭でき、高く売れる可能性が上がるでしょう。
■更地にする
一戸建ての訳あり物件の場合、建物を解体して更地にしてしまうのも一つの方法です。更地にしてしまえば、そこで起きた事件や事故のイメージが薄くなり、多くの場合売却しやすくなるでしょう。さらに、更地にした後に月極駐車場やコインパーキングにして、運用することもひとつの手です。
一点注意しなければならないのは、訳あり物件をクリーニングやリフォームしたり、更地にしたりしても、告知義務が消えることはないということです。バレないだろうと告知義務をせず、後から訳あり物件であることが買主に分かった場合、損害賠償請求をされることもありますので、必ず告知義務をしましょう。
訳あり物件の告知義務と、訳あり物件でも高く売るコツをご紹介しました。訳あり物件でもしっかりと告知義務を果たし、少しでも負のイメージを払拭できれば、売却することは可能です。訳あり物件を所有している方は、ぜひ参考にしてみてください。